この事業は、九州内に点在する半導体関連産業の情報交換や交流によるネットワーク充実及び深化、あるいは九州外企業群とのネットワーク形成促進、異業種も含めた多種多様な技術、知識の連携、共有を図り、研究開発やビジネスのパートナーとなり得る関係の構築を図ることを目的とする。

期間 企業群ネットワーク交流先 交流内容

 平成26年1月21日

関西エレクトロニクス企業との技術連携フォーラムin博多

 関西エレクトロニクス企業9社とのビジネスマッチング

平成25年10月2日 

京都リサーチパーク株式会社

 大手企業(1社)ニーズ説明会に参画
  村田製作所

平成25年9月5日 

台湾電子設備協会

 台湾電子設備協会との商談会実施(5社参加)
場所:台湾 台北市

平成25年7月24日 

京都リサーチパーク株式会社

 大手企業(5社)ニーズ説明会に参画
  アイシン精機,富士電機,三菱電機,横川電機,ローム

 平成25年7月

大阪商工会議所

 同会議所グローバルコネクトプログラム事業にSIIQ企業参画
SIIQ企業の商品PR(英語)資料を同事業で海外でPR,サウジアラビアからの引き合いをいただく

平成25年1月28日
~2月1日

マレーシア半導体・エレクトロニクス企業群

視察ミッション(3社、11名)現地訪問による
・現地半導体・エレクトロニクス関連企業・SIIQ企業の商談会
・半導体前工程、後工程企業工場見学、ディスカッション

平成24年10月25日
~26日 
京都工業会 京都工業会16名来福による
・京都工業会 九州企業訪問、SIIQビジネスマッチング調査
平成24年9月4日~8日 

台湾半導体企業群

視察ミッション(7名)セミコン台湾等訪問による
・現地半導体関連企業とのビジネスマッチング調査
平成24年8月22日~25日  ベトナム半導体関連機関、企業、大学

視察ミッション(8名)現地訪問による
・現地半導体産業政策への協力可能性調査、ビジネスマッチング調査

平成24年3月4日~7日 マレーシア半導体企業群 視察ミッション(5名)現地訪問による
・現地半導関連企業・SIIQ企業のビジネスマッチング調査
平成24年1月29日
~2月4日
インドネシア・ベトナム
半導体関連業群
視察ミッション(5名)現地訪問による ・現地半導関連企業
・SIIQ企業のビジネスマッチング調査
平成23年11月15日
~16日
京都工業会 京都工業会12名来福による
・京都工業会 九州企業訪問、SIIQビジネスマッチング調査
平成23年10月11日
~16日
ドイツザクセン州半導体クラスター
「シリコンザクソニー」
視察ミッション(16名)ドイツ訪問による
・有機エレクトロニクス研究機関、企業3社視察交流
・半導体クラスター「シリコンザクソニー」
・SIIQ交流 ・セミコンヨーロッパ視察調査
平成23年8月29日
~9月3日
インド半導体協会 視察ミッション(5名)インド訪問による
・インド半導体協会企業
・SIIQ企業のビジネスマッチング調査
・インド企業のMAP2011(商談会)への招聘


<SIIQネットワーク形成事業 海外視察交流報告>

1.平成24年度海外視察交流について
  SIIQネットワーク形成事業において平成24年度海外視察交流をベトナム、台湾の2か国で実施しましたので、その報告をさせていただきます。
2.ベトナム視察交流について
 

SIIQでは2011年度事業で東アジア諸国等の海外市場調査を実施し、インドネシア、べトナム、マレーシア、タイの4カ国の調査報告書をまとめました。この調査の中で、ベトナム国立大学ホーチミン校IC研究開発センターに訪問し交流しましたが、今回先方よりSIIQにベトナム半導体シンポジウムへ招待の話をいただきました。、このシンポジウムに参加し、ベトナム半導体産業政策の調査および半導体関連企業、半導体研究機関との交流によりベトナムとのネットワーク形成・深化を図り、九州企業の今後のベトナムビジネス展開に繋げることを目的とし、2012年8月22日から25日の日程で交流団8名がベトナム ホーチミン市を訪問しました。今回は下記の2点を狙いとしました。
①ベトナム半導体産業政策の動向・方向性を掴むこと。この動向・方向性に合ったベトナムビジネスおよび九州企業のベトナムでのビジネス可能性について探ること。
②九州企業がベトナム市場を開拓するため、ベトナム市場にネットワークを有する人や企業との関係を構築すること。
 ベトナム半導体シンポジウムの内容は
・政策に関する内容:ベトナム半導体政策、政府系研究機関活動紹介
・ベトナムとの連携提案内容:韓国政府系半導体機関、台湾企業(TSMC)、シンガポール半導体協会等
・ベトナム企業・大学の半導体研究に関する発表
があり、多くのベトナムの半導体企業や大学関係者が参加し、発表者および参加者との交流をすることができました。また、ホーチミン市にあるサイゴンハイテクパークを訪問し、インテルなど半導体関連企業や日本電産等日系企業の工場進出状況やベトナム国立の半導体試作研究施設を見学しました。
今回のベトナム交流事業で得られた成果として
①ベトナムでは国策で産業振興の重点分野として半導体産業を位置付けることを決定している。その具体的施策として半導体産業への投資を計画している。この投資計画策定組織としてホーチミン半導体協会の設立に向けて準備中であること。このホーチミン半導体協会の主たる構成メンバーの一つがベトナム国立大学ホーチミン校で、同校との交流によりベトナム国策プロジェクトへの足掛かりができたこと。
②ベトナム半導体関連ビジネスに関わっているベトナム企業2社との交流により、今後のベトナム市場への足掛かりができたこと。
③シンポジウムに参加していたシンガポール半導体協会との交流により、シンガポール半導体協会とSIIQが連携して東アジア地域の市場を開拓する足掛かりができたこと。
 がありました。
今回のベトナム交流では、半導体産業が正にこれから立ち上がっていこうとしているベトナム市場の活気と、この国の親日、友好的な雰囲気を肌で感じました。また、このベトナム市場の成長活力を活かし、この市場でネットワークを築き、その中からビジネスチャンスを見出していきたいと思いました。
 今回の交流でお世話になりました福岡大学 友景教授、アジア半導体機構(ASTSA)、財団法人九州経済調査協会、産業タイムズ社、九州経済産業局の皆様に深く感謝申し上げます。

       
   ベトナム半導体シンポジウム                 サイゴンハイテクパーク インテル工場

3.台湾視察交流について
 

 世界の半導体製造産業の勝ち組である台湾半導体産業との連携を図る連携機関や販路開拓の調査を行い、それに基づき台湾とのネットワーク形成・深化を図り、九州企業の今後の台湾ビジネス展開に繋げることを目的として、2012年9月4日から8日の日程で台湾最大の半導体関連展示会であるセミコン台湾2012に出展・参加し、その中で台湾電子設備協会との交流、意見交換を含め、台湾の半導体業界及び企業などに対する情報収集、意見交換を実施しました。
今回は下記の3点を狙いとして参加しました。
①セミコン台湾にSIIQブースを出展し、台湾市場でのビジネスチャンスを探ること。
②九州企業が台湾市場を開拓するため、台湾市場にネットワークを有する人や企業との関係を構築すること。
③九州企業と連携可能性のある台湾企業を探し、その連携可能性内容を探索すること。
 セミコン台湾は総来場者数35,651人/3日間で、活況な展示会でした。
セミコン台湾には九州パビリオンとして、大分県、熊本県、SIIQの3団体が出展しました。SIIQブースでは会員企業5社がパネル、サンプル展示、パンフレット配布等を行い、また、大分県、熊本県の出展関係者とも密接な情報交換を行いました。
 今回の台湾交流事業で得られた成果として
①セミコン台湾でのSIIQブース出展企業の引合い件数が100件超で、台湾ビジネスへの足掛かりに寄与できたこと。
②台湾市場へのインターフェース、販路開拓ルートとして、日台共栄支援機構の日本代表、台湾代表との交流により、カテゴリー毎に強い販売ルート、商社の情報を得たこと。
③台湾電子設備協会20社との交流ができ、台湾電子設備協会とのビジネスマッチングの土台づくりができたこと。また、セミコン台湾に出展した日系企業との交流により、特に日系半導体製造装置企業への足掛かりができたこと。
 がありました。
今回の台湾交流で、半導体製造産業の勝ち組である台湾市場の活気を肌で感じるとともに、台湾市場の成長活力を活かし、この市場でネットワークを築き、その中からビジネスチャンスを見出していきたいと思いました。
 今回の交流でお世話になりました大分県、熊本県、九州経済産業局の皆様に深く感謝申し上げます。


         
   セミコン台湾会場                              セミコン台湾 SIIQブース

 
1.平成23年度海外視察交流について
  SIIQネットワーク形成事業において平成23年度海外視察交流をインド、ドイツの2か国で実施しましたので、その報告をさせていただきます。
2.インド視察交流について
 

インド視察交流の目的として
・インド市場においてビジネスチャンスのある分野・技術を探ること。
・連携可能性のあるインド企業を探し、第11回半導体実装国際シンポジウム(MAP)11月1日、2日ヒルトン福岡シーホークホテル開催に参加要請すること。
・インド市場を開拓するため、インド市場にネットワークを有する人や企業を知ること。
の3点を重点として、平成23年8月29日~9月 3日の日程でムンバイ市、バンガロール市、チェンナ イ市の3都市でインド現地企業12社及びジェトロを 5名で訪問しました。まずジェトロ訪問でインドの概 要、経済動向等を伺いました。その主な内容は下記のとおりです。

・社会インフラ(道路、上下水道、電力等)の整備が遅れており、国による整備は追いついていないため、インフラ整備をPPP(Private Public Partnership)の制度により民間が社会インフラ(道路等)に投資し民間が自ら投資回収する方法で整備が進められている。この点で社会インフラ事業のビジネスチャンスのポテンシャルが大きい。

・財閥系大企業がインド経済を牽引している。例えば財閥系大企業ではタタグループが自動車、鉄鋼化学、エネルギー、IT分野等でインドGDPの約7%の売上規模がある。一方、中小企業の技術、経営基盤が弱い。九州企業がインド財閥系企業向け等インド市場向けビジネスを開拓するビジネスチャンスのポテンシャルが大きい。
・インドの人口の多さ、人口増加率の高さと生活水準の向上余地が大きいという実態から、耐久消費財のビジネスポテンシャルが極めて高い。 ・進出した日系企業では労働争議がしばしば発生している。

また、訪問した企業12社はインド半導体協会の会 員で業種内訳はIT系企業3社、半導体ファブレス企業3社、電子材料企業1社、半導体組立受託企業1社、半導体テスト受託企業3社、半導体商社1社でした。 企業視察交流で得た主な内容は下記のとおりです。

・半導体一貫生産する企業がなく工程受託事業が主。
・半導体工程受託の顧客ウェイトは米国が圧倒的に大きく、欧州、日本を含むアジアのウェイトは低い。

・IT系企業3社はいずれもグローバル展開している世界的大企業で日本に単独または合弁で事務所を持ち、日本企業から開発委託等ビジネスを行い、日本で積極的にビジネス拡大を図っている。今回訪問したパトニ社はJR九州と合弁でJR九州パトニシステムズ株式会社を2010年7月に設立している。

・インド政府は半導体産業振興政策に消極的だったが、2012年に半導体産業振興政策が打ち出される予測があるとのこと。また、エネルギー政策では太陽光発電を国策とし大規模投資を推進中で太陽光発電関連ビジネスは活況とのこと。

 この視察交流でMAP参加要請の結果、訪問したイ ンド企業12社の内、5社がMAPで出展いただきビ ジネス商談会ではインド企業からMAPに参加した日 本企業の優れたれた商品をインド市場で販売したいと の提案を数件いただきました。この視察交流を機にS IIQ会員のインド市場開拓に寄与できるよう様々な 面でネットワークの強化を図っていきいと思います。今回の視察交流をアレンジいただいたインド半導体 協会、アジア半導体機構(ASTSA)、(財)九州経 済調査協会、ジェトロバンガロール事務所の関係各位 に感謝申し上げます。

    
   インド半導体企業訪問                    インド ソフト開発企業訪問

  
   活気あふれるインドの市街地

3.ドイツ視察交流について
 

ドイツ視察交流の目的として
・ドイツザクセン州の半導体クラスター「シリコンザクソニー」とSIIQ会員との交流によるSIIQネットワーク拡大

・セミコンヨーロッパ展示会、ザクセン州研究機関、企業訪問によるヨーロッパの半導体・有機エレクトロニクス市場、技術動向、連携可能性の調査 の2点を重点として、平成23年10月11日~16 日の日程でドイツザクセン州視察交流を行いました。 視察交流内容は下記のとおりです。

・セミコンヨーロッパ、有機エレクトロニクスコンファレンス視察 ・半導体・有機エレクトロニクス研究機関視察(2大学、公的研究機関フラウンホーファー研究所4か所)

・有機エレクトロニクス分野企業3社(有機照明企業2社、有機太陽電池企業1社)視察

・ドイツザクセン州の半導体クラスター「シリコンザ  クソニー」との交流会 
参加メンバーは16名で内訳は企業4名、大学4名 県及び市行政機関6名、九州経済産業局1名、SII Q事務局1名で、この中で有機エレクトロニクス分野 関係者9名が参加されました。ドイツザクセン州は旧 東ドイツ地域にあり州都はドレスデン市、人口約42 0万人、州GNPは約10兆円、自動車産業、半導体 産業の集積地域であり九州の産業構成と似ており、自 動車・半導体関連の日本企業も十数社進出しています。 今回視察に同行いただいたジェトロベルリンの方から、 ドイツは自動車産業を中心とする輸出産業がユーロ 安の恩恵を受け好調で生産水準が高く、これら産 業ではビジネスが活況との話を伺いました。
半導体産業クラスター「シリコンザクソニー」が半 導体関連産業振興の活動を行っており、今回の視察交流はセミコンジャパン2010でのシリコンザクソニーとSIIQの交流がきっかけとなり昨年2月にザクセン州メンバーが九州来訪し今回の視察交流に繋がりました。シリコンザクソニーはザクセン州半導体関連企業280社の会員を有しクラスター活動を
・成長産業としての有機エレクトロニクス事業分野
・既存分野での継続的成長を目指すエネルギー高効率  化半導体分野(パワー半導体分野等)
の2つの重点分野に集中しこの重点特化によりシーズ 開発から事業化までプロセス全体を産官学連携で取り 組んでいるとのことでした。今回の視察ではこの2重 点分野の大学、公的研究機関、企業を訪問し産学官連 携の実態を視察できました。有機エレクトロニクス分 野ではシーズ開発を大学中心に行い、このシーズ開発 成果の事業化への橋渡しをフラウンホーファー研究所 で行いその成果を企業が事業化しておりました。
有機太陽電池分野では
・シーズ開発(材料、基礎プロセス開発等): ドレスデン工科大学
・シーズ開発成果の事業化開発(取組内容は製品評価、量産試作実証:ロールtoロール生産方式等): フラウンホーファー研究所
・事業化企業:Heliatek社
を視察し、産官学連携での事業化方向性が明確と感じ ました。また、有機照明分野ではそのアプリケーショ ンとして美術品鑑賞に有機照明が適するとのことでド イツの美術館が有機照明を美術品鑑賞用に採用しその 効用を美術館と有機照明事業化企業が共同でアピール するなど官民協力してアプリケーション開発とその普 及拡大に取り組んでいました。
一方、エネルギー高効率化半導体分野では訪問した フラウンホーファー研究所CNT拠点と半導体企業インフィニオン社が同じ敷地内で連携して活動し、開発から事業化までの期間短縮を狙っているとのことでした。また訪問した時期にインフィニオン社がドレスデン市でパワー半導体新工場投資を発表しクラスター関係者が大変喜んでいました。
今回ドイツ産学官連携の重要な役割を担うフラウ  ンホーファー研究所の4拠点を視察しました。フラウンホーファー研究所の概要は約18,000人の人員、ドイツに60か所以上の研究拠点を持つ全体として巨大な組織ですが今回訪問した4拠点は事業化企業と密接に連携した活動を展開しシーズの事業化に大きな役割を果たしておりました。訪問時の先方の説明では海外に門戸を開きフラウンホーファー研究所ENAS拠点は日本の3機関と協定し日本と共同開発を行っているとのことです。
また、セミコンヨーロッパ視察ではシリコンザクソニーの他、半導体クラスターであるフランスLetiや米国ニューヨーク州がブースを出展しその担当者との交流により今後の新たなネットワーク形成のきっかけづくりができました。また日本企業では材料関係企業、製造・検査設備関係企業等が出展されていました。
今回の視察交流で得た成果は
・シリコンザクセンの活動内容を今回の交流を通じてより深く掴めたこと。
・ドイツの産官学連携の実態を視察ができたこと。
・有機エレクトロニクス分野での研究開発、事業化取 組み、アプリケーション開発等を視察できたこと。
・セミコンヨーロッパで他地域の半導体クラスターと の交流のきっかけづくりができたこと。
と考えています。
今回の視察交流でネットワーク形成交流により新た なビジネス視点や技術開発、パートナーの発掘に繋が る可能性があることを実感し今後この視察交流を機に 連携の成果が出るようにさらに交流を進展させていき たいと思います。また、ネットワーク形成事業につい てさらに他地域まで幅広く拡げていけるよう活動して まいります。
今回の訪問交流をアレンジいただいたドイツ貿 易・投資振興機関、ザクセン州経済振興公社、シリコンザクソニーの関係者の方々、ご参加いただきましたSIIQ会員の方々に深く感謝申し上げます。

    
   ドイツ有機エレクトロニクス企業訪問       シリコンザクソニー(半導体クラスター)との交流会 

  
シリコンザクソニーのあるザクセン州の州都ドレスデン市